「一億総クリエイター時代の到来」と言われる今、パソコンを使って仕事をするデジタルクリエイターは増加の一途を辿っています。
競争の激化が予想される中で、私たちはどのように戦い、生き残るのか。
今回は、2021年8月26日(木)に行われた『Online Offline Webinar vol.2 〜名刺で可視化する、フリーランスのブランディング戦略〜 -Supported by 日本HP』について、ハイライトをお届けします。
オンラインが前提の世の中で、あえて「名刺の価値」というテーマで開催された今回のトークライブ。日本HPとインサツビトの協力のもと作成された、見たことも聞いたこともない名刺が目白押し!?
遊び心とブランディング戦略に満ちた5人のやりとりを見れば、あなたもきっと自分だけの名刺を作りたくなることでしょう!
ファシリテーター:
▼新しい働き方ラボ和歌山コミュニティマネージャー シモカタセイジ氏
ゲスト:
▼株式会社中本本店 インサツビト 竹内 直人氏
▼株式会社中本本店 インサツビト 河村 実佳氏
▼株式会社日本HP デジタルプレス事業本部 ビジネス開発部 マネージャー 仲田 周平氏
▼ランサーズ株式会社 チーフエヴァンジェリストオフィサー 根岸泰之氏
目次
個人で仕事をする際に名刺が重要な理由
個人として仕事をする際に、名刺がとても重要とのことですが、その辺詳しくお聞かせいただけますか?
ファシリテーターシモカタセイジさんの質問で、クロストークが開始しました。
まず2つ観点があります。
1つは、会社に所属していないと肩書ってないですよね?
大きな会社なら社名を言っただけで信頼感や安心感を伝えることができます。
でも、特定の有名人を除いては、初めて会った時に自分の名前を言っても相手が知らないって言うケースが多いですよね。
2つ目は、名刺交換してその場では仕事に繋がらなかったとしても、後で「第一想起させる」、つまり最初に思い出してもらうため記憶に残る印象を与えることがとても大切です。
クライアントさんに想起されなければ、仕事に繋がらないので、せっかくスキルを磨いていても生かしどころがない。
確かに!!!!!
そういう意味では、名刺というものを使って、いかに自分を覚えてもらうか。
個人で仕事をしていく上では、これはかなり必要なブランディングです。
では実際に、相手に覚えてもらえる名刺とは?
仲田さん、シモカタさん、根岸さん渾身の名刺お披露目会がスタート。
どんな面白い名刺が見られるでしょうか?
面白い名刺①日本HP中田さん「320万通りの柄違いの中から相手に選ばせる、スプラトゥーン名刺」
今回の名刺は、HP社最新鋭の印刷機「HP Indigo 7K Degital Press」を用い、インサツビトによって作成されました。
では、仲田さんから名刺のご紹介をお願いします!
私の名刺はこれです!
一同:かわいい!!
実はこれ、一枚一枚全部模様が違うんです。
複数のお客さんと名刺交換するときに広げると、とても盛り上がります。
全部柄が違うから「どれにしようかな?」という意識が働きますよね。
そこで会話を何分生み出すことができるかを、うちの会社では意識しています。
確かに名刺を貰う際に、自分で選ぶという経験は普通ないですね。
チャットコメント:自分で選んだ名刺なら大事にしそう
チャットコメント:真似したい!
是非真似してくださいね。
このように、実際の名刺を使えばオンライン上の挨拶と違い、工夫次第で相手に印象を残すことができます。
さらに紙なので、持ち帰った後もずっと持っていてもらえる保存性があります。
ちなみに、HPの海外マーケティングマネージャーのリサは、常にポーチに500種類以上の名刺を忍ばせていて、相手に選ばせるんです。
我々日本HPは最初の名刺交換に、すべてを賭けています!
・インサツビトさんから詳しい技術説明
インサツビト 竹内さん:
これが先程の仲田さんの名刺の、カット前の状態です。
Indigo 7Kを用いることでホワイトインキが使えるので、黒い台紙の上に色が乗ります。
大本のデザインをシードデザインと呼びますが、そのデザインを用いて機械が自動で拡大縮小、カットしてくれます。機械が完全に自分で考えてランダムに自動生成してくれるので、320万通りものデザインが作れます。
大本のシードデザインを作ったデザイナーも予測不可能な仕上がりになります。
・応用編カラフルなシードデザインでコースターも作れる
このシードデザインが、自動生成で下のコースターになります。
また、手書きのものもシードデザインにできるとのことです。
スキャナーで取り込み、画像化して元データを作ります。
その際は、字が読めることを配慮して作成してください。
面白い名刺②シモカタさん
「あなたのために透明になります」名刺
・ここで突然のシモカタさんクイズ
さて、今僕は画面上に名刺を隠しています!
皆さんから見えています。
名刺はどこか、わかるかな!?
どこだろう…
壁…?ビジュアル的にも凄腕マジシャンに見えてきますね。
正解はここです!
カメラに貼り付けてありました〜!
(コメントチャット欄に正解者がいました!お見事です。)
僕の本業は、ブランディングと映像制作です。
その仕事では、自分は目立ってはだめで、あくまで人を目立たせなければならないんですね。
自分自身は透明になる仕事だと思っているから透明の名刺にしてみました。
コンセプトは、「あなたのために透明になります!」です。
・インサツビトさんから詳しい技術説明
インサツビト 河本さん:
素材は、クリアファイルなどで使われるPET素材です。
皆さん、こちらの名刺をご覧になって「透明なのに違う絵柄を両面に刷れるなんて!?」と思いませんでしたか?実は、この名刺は両面から印刷しているのではなく、裏面からだけ印刷しています。
はじめに、表面から見えるシモカタさんの似顔絵・名前・ロゴを印刷し、次に透けないように白の丸を3回刷っています。
最後に、QRコードと黄緑のLINEマークを印刷しました。こうすることで、まるで両面から印刷しているかのように見える透明な名刺を作成することができます。
・透明名刺にカラーだけで印刷することも可能
蛍光色やビビットインキで印刷も可能です。
二色の真ん中に白を挟むことで、表から見ると蛍光ピンクの丸、裏面は黄色で作ることも可能です。
こちらは、透明の台紙に蛍光ピンクと白のチェックの名刺です。
インサツビト 竹内さん:
また、透け感を残すためにあえて白を使わずに、透明な名刺を作ることも可能です。こちらは四色重ね刷りしていて、文字のところは全く色が入っていないです。
興奮しすぎてマイクに激突してしまいました。
一同:(笑)
インサツビト 竹内さん:
こちらは剪定士の方の名刺で、植物の生命力のうねりを表現しています。
「その情熱をただ紙にするのではなく、何か特別なもので表現したいよね」ということでご提案させていただきました。
チャットコメント:持ち主本人のテンション上がり、持っていて渡したくなる名刺。
使う側が持っていて渡したくなる名刺、やっぱりそれが自分らしい名刺ということですね。
面白い名刺③根岸さん「名乗るほどのものではございません。黒一色、炙り出し名刺」
それでは最後に、そんな名刺界に一石を投じる、根岸さんの名刺をご紹介お願いします。
一同:(騒然)
なんと、黒一色の炙り出し!
何も見えません。
ちょっと斜めにすると、浮かび上がる文字の数々。
名刺交換で会話なく終わる経験って皆さんないですか?
先程、スプラトゥーン名刺でどなたかがチャットのコメントでおっしゃってたみたいに、まさに僕も名刺交換でコミュニケーションを生みたくて。
名刺交換って名乗る場面なのに、僕はこの名刺使って「名乗るほどの者ではございません!」と言ってやろうと思って作ってもらいました。
一同:(笑)
で、「実は…」と言って角度を変えると僕の肩書きが四つ、上下左右に浮かび上がってくるんです。
今、パラレルワークをする人って増えていますよね。
僕もそうで、一人の肩書きが一つではないので、一つの職種名だけではその人を表現するのが難しいんです。
興味を持ってもらえる名刺に四つの肩書きを載せることで、職種について説明できる時間が生まれます。
僕はうまく喋れる方ではないので、これまでの経歴とかやってきた実績について話せる、自己PRが苦手な自分の課題を解決してくれる名刺を作ってもらいました。
紙のいいところは渡すことで相手に体験を届けられるので、それがとてもいいですよね。
いい体験は記憶に残っていて、何かあった時に思い出してもらいやすくなる。
透明の名刺でも真っ黒でもカラフルなスプラトゥーンでも、どういう想いでこの名刺を作ったか自然と仕事に対するポリシーの説明もできます。
・インサツビトさんから詳しい技術の説明
インサツビト 竹内さん:
これは黒の台紙に透明インキで印刷しているので、光の当たり方によって文字が浮き上がる仕様です。黒い紙でも台紙がそもそもテカるものだったら見えないので、テカらない紙を使用しています。
・黒い台紙に透明インキの別バージョン
インサツビト竹内さんの名刺です。
白い名刺を裏返すと、なんと全面が真っ黒!
白インキでベースを刷っているため、表から見ると白い紙にしか見えない名刺ですが、実際は黒い台紙でできています。裏面の光っている部分が黒地に透明インキです。
コンセプトは「どう形にしたらいいかわからない、暗闇の中にいるお客様のハートを撃ち抜くアイデアを出します!」です。
・応用編 透明インキでヘビ柄模様のブックカバー
黒い台紙に透明インキを15層重ねることで、しっかりぼこぼこしたヘビ柄の模様の印刷が可能とのことです。
インサツビトと話し合い、ハートを射抜かれよう!
インサツビト 竹内さん:
思っていてもどうしたら形にできるのかわからないアイデアを、インサツビトに相談してください。どうしても不可能なことってありますが、一緒に話し合ったら落とし所が見つけられます。
「やはりこう言う表現もあるじゃないか」という話し合いができるので、何でもいいから聞いてください!インサツビトには、それができる人材と機械があります。
情熱が伝わり、とても楽しい気持ちになりました。
インサツビトにお願いすれば、アイデアを形にできそうですね!
「おー!おー!」と圧倒されました。
解決や技術を知らなくても、相談窓口に行けばハートを射抜いてくれるんですよね。
・これだけは見せたいその他の特殊インキ
キラキラが好きな方には堪らないシルバーインキです。
シルバーインキの上にシルバーインキが刷れるので、シルバー200%も可能です。
・RGB再現
モニター上では鮮やかに見えても、従来のCMYKで印刷すれば青は普通くすんでしまいます。
でも、RGB再現をすることでこのようにモニター見たままの色で印刷が可能です。
上がRGB再現、下が従来のCMYKで印刷したもの。
インサツビトに相談してアイデアを形にし名刺で自分をブランディングしよう
いかがでしたか?
見たことも聞いたこともない、面白い名刺が目白押しでしたよね。
お気に入りのデザインが見つかったり、アイデアが湧いたりしている方もいるのではないでしょうか。
クライアントから第一想起されるため、自分らしい名刺でブランディング戦略を練り、一億総クリエイター時代を共に生き抜いてまいりましょう。
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《ライター:甲斐三南子》