「好奇心」がクリエイティブの可能性を広げる。小林航さんが語るこれからの路線図

2020-09-01

現在、日本HP×新しい働き方LABの共同企画で進められている #私をつくるクリエイティブ。この企画にチャレンジするクリエイターには日本HPよりハイスペックPCが貸与されており、新たに取り組むクリエイティブ活動を後押ししています。

今回はこの企画で、「クリエイティブの可能性を広げる」をテーマに、映像制作やオンラインイベントのオーガナイズの仕事をしている小林 航(こばやし わたる)さんにお話をお伺いしました。

※なお、このインタビューは新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンラインで行われています。(聞き手:新しい働き方LAB 俵谷龍佑)

■□■□小林 航さんのプロフィール■□■□

「グルーヴ」感を軸に置くクリエイター。映像・イベント・プラットフォーム等、様々なカタチのクリエイティブに対しクリエイティブディレクターやプランナー、カメラマンとしてアウトプットを行う。2015年からDJとしても活動。

Twitter:https://twitter.com/dazzle_rain__
note:https://note.com/dazzle_night
OFFICIAL SITE:https://www.wataru-kobayashi.com
ランサーズ:https://www.lancers.jp/profile/pellucid_night

誰かと一緒にモノを作り上げるのが好きだった子ども時代

俵谷
俵谷

まず、現在されているお仕事、これまでのキャリアについて簡単におしえてください。

小林
小林

フリーランスで、映像やイベント、プラットフォームなど様々なコンテンツの制作や企画に携わるディレクターやプランナー、オーガナイザー(企画・宣伝・運営を担当すること)として活動しています。

映像制作は、昨年5月から本格的にはじめました。当初は編集業務だけでしたが、今年に入ってから脚本、撮影、編集、納品まで全て担当しています。

5年前くらいから別名義でDJの活動もしていて。イベントオーガナイズのお仕事はDJの人脈から生まれたものが多いです。

俵谷
俵谷

映像制作のお仕事は、DJをきっかけに始めるようになったのでしょうか?

小林
小林

「映像制作」という仕事自体はDJ活動の中で存在を知っていましたが、自分自身が仕事として取り組むきっかけは別の部分にあって。

会社の働き方になじむことができず、精神的に参ってしまって、長く仕事につけない時期がありました。ただ、じっとしているのもよくないし、何か没頭するものを見つけたいなと思っていた時に、YouTuberの映像制作・編集をしている知人から「動画編集の仕事やってみない?」と紹介してもらったんです。

最初は、映像を作りたいというよりは、生活費を稼ぐという動機が強かったのですが、徐々に映像制作に興味が出てきました。

俵谷
俵谷

DJ、映像制作とクリエイティブに関する活動をされていますが、小さいころからモノを作ることには興味はあったのでしょうか?

小林
小林

小学校のころから人前に出るのは好きでしたね。運営委員や生徒会に自ら立候補し参加していました。昔から、他のだれかと一つのものを作ることに興味がありました。

俵谷
俵谷

なるほど……。DJに通じる部分がありそうですね

小林
小林

たしかにそうかもしれません。みんなで作っていくプロセスや人とのつながり、ものが出来上がったときの達成感は、小さいころからたまらなく好きで。

小学校のころには合唱団で全国大会に出場したことがあって、一つのことにストイックに打ち込みチャレンジすることでやりがいを得られることを学びました。チャレンジ精神は、このときの経験で培われたのだと思います。

きっかけはたった一つのパソコン。クリエイティブ活動が加速

俵谷
俵谷

今回の企画に参加されたきっかけは?

小林
小林

もともと持っているパソコンがデスクトップ型で、家で作業はできるけど外に持ち出すことができませんでした。今回、コロナによって世の中の流れが大きく変わり、フリーランスでも、働き方を変化させていくことや、スキルの幅を広げていくことの重要性を感じました。

そんな時、HPのプロジェクトの「今の生活にパソコンがもう一台増えたら、どう生活が変わるか」という考え方にものすごく感銘を受けて応募しました。

俵谷
俵谷

働き方を変えたい、スキルの幅を広げたいという想いが根底にあったのですね。今回、パソコンを使ってどのようなクリエイティブなチャレンジ・挑戦を達成できましたか?

小林
小林

映像コンテンツ、オンラインイベントにおけるクオリティ向上や新しい見せ方の提案、新しい映像コンテンツの作り方など……さまざまな挑戦をさせていただきました。

具体的には、「OBS(※)」を使ってクライアントが開催するウェビナーのレイアウト作りをお手伝いしたり、Zoomを使ったオンラインイベントのサポートなどを行っていました。

※OBSはOpen Broadcaster Softwareの略で、無料の生配信ソフトのこと。自分が起動している画面をそのまま取り込み出力することができます。ツイキャスやYouTubeライブ配信などでも活用されています。

小林
小林

イベントのディレクションでは、自身でライブ配信の主催だけでなく、クライアントのイベントのディレクションにも関わりました。

今年の7月25日に開催された「KaMiNG SINGULARITY」というライブイベントで、YouTubeライブ配信をしながら、心臓の鼓動を光の点滅でビジュアライズ(可視化)するデバイスを使い、コンテンポラリー・ダンスをしてもらう仕掛けや、AR技術を使って参加者の顔をアニメキャラにしたり、自分の顔を出さない形での対談イベントをコンテンツの一つとして入れたりなど、さまざまな仕掛け作りに携わることができました。

俵谷
俵谷

これだけのハイレベルな作業をすべてHPのパソコン一台で……すごいですね……!

小林
小林

そうですね。今回はOBSを使ったのですが、用意するストックが多かったりすると、配信の出力時にCPUを消費するので、それなりのスペックが必要になります。

これだけのクオリティが出せるのは、HPの高いスペックがあるからこそ実現できたのかなと思います。

「好奇心」と「初期衝動」を大切にしよう

俵谷
俵谷

今回、プロジェクトに参加して、どんな心境の変化がありましたか?

小林
小林

自分の生活や日常をよりよくするためには、現状を壊すしかない、殻を破るしかない、ステップアップする必要があるんだなと感じました。

新たな領域に一歩踏み出すことで、見える景色も変わるし、そこからつながる出会いやクリエイティブもあって。ハードウェアでのクリエイティブ向上もありましたが、ライブ配信など新たなチャレンジをしたことで、自分の内面が変わってさまざまなチャレンジに踏み出せました。

挑戦することで、自分のクリエイティビティや日々の生活を彩りのあるものにしてくれるんだなと改めて感じることができました。

俵谷
俵谷

仕事が増えるなど、具体的な変化はありましたか?

小林
小林

プロジェクトに参加してから、イベントの運営や企画、コンテンツのディレクションの仕事が肩書きに書けるくらいに本格化しました。

コロナの影響で仕事が増えた面もありますが、やはり、ハイスペックなパソコンを持ち運べるようになって、家以外の場所でも仕事をするようになったのが、クリエイティブ力の向上に大きな影響を与えている気がします。

俵谷
俵谷

今回、さまざまなチャレンジをされたと思いますが、あたらしいことをするときに大切にしている考えやマインドはありますか?

小林
小林

自分が大事にしているのが「好奇心」と「初期衝動」です。

新しいことをするときには、やりたいことに出会ったときの初期初動、つまり興奮や彩りのある景色がそこにどれだけあるかを大事にしています。ある程度、「本当にこれは今やる必要あるのか」と考えたら、自分のこころに従うようにしています。

俵谷
俵谷

あたらしいことを始めるときは、「失敗したらどうしよう」と考えてしまいますが、どのように失敗の恐怖と向き合っていますか?

小林
小林

もしできない形になったとしても、それはそれでいいかな、と思ってます。

…というと語弊がありますね。プロジェクトの成功や達成を追求すること、その評価を受け止め、次に活かすことは大前提です。その上で結果が芳しくなくても、ある種ポジティブに変換していくことは大事だと思っています。

始動と結果の2つの点、その点を繋ぐプロセス、それら全てにおいて、何を見出し拾いあげて次に繋げていくかで、失敗はいくらでも「成功の糧」にできると思ってます。

個のクリエイティブの力や流れを増幅させていきたい

俵谷
俵谷

あたらしいことは、最初どうしても成果が出ないと思うのですが、どのようにして自分のやる気を保っていますか?

小林
小林

まず、クリエイティブな活動には二種類あると思っていて、一つが自分から出るものを表現する活動、もう一つがクライアントの想いを表現するもの、いわゆる「クライアントワーク」ですね。片方ができなくなったときは、もう片方をするなどして、頭のリフレッシュをしています。

それでもやる気が上がらない、いい発想が出なくなったら、人と会ったり、美術館に行ったり、美味しいものを食べたりするなどして、積極的にインプットをするようにしています。

やる気が続かないときって、放出するものがなく補充する時期と思っていて。そういう時期はなるべく仕事につなげないように意識しています。フィルターを通さず目の前にあるものを純粋に楽しむ。そうすると、ふと良いアイデアが湧きあがったりするんです。ある意味、「放棄する勇気」といいますか、100%のパフォーマンスが出るまでは一旦やめてみることが大事ですね。

俵谷
俵谷

モチベーションが続かないときは「放出するものがなく補充する時期」、とても身にしみます……。いよいよ最後になりますが、これからの目標についておしえてください。

小林
小林

今回をきっかけに、オンラインイベントの可能性に気づくことができました。これからも、オンラインのコンテンツ展開の可能性を探っていきたいです。

音楽だけでなく、そこに付随するアパレル、アートなどのカルチャーの融合と発信ができるイベントの企画もしていければと思います。

今回、コロナの影響で個の力が重要であると思い知らされました。個の力を集結させることができれば、さらに良いものが作れると思います。

さまざまな領域で活躍しているクリエイターと一緒に、みんなの「こんなことあったらいいよね」といったクリエイティブの種をもとに、マインドマップを作ったり、ワークフローを組んだりして、形(仕事)にしていける、そんな「仕事を生み出せる場所」が作れればなと思います。

■□■□貸与されたPCスペック■□■□

ノートパソコン :OMEN X 2S 15 エクストリームプラスモデル
メモリ:32GB(16GB×2) DDR4-3200MHz
CPU: インテル® Core™ i9-9880H プロセッサー
(2.30GHz-4.80GHz, スマートキャッシュ16MB)

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