和歌山で服作りに取り組む服飾デザイナー、佐々木啓彰(ささき ひろあき)さん、26歳。
佐々木さんの服作りに対する想いをまとめた短編映画「Sewing Up the Future.」は、世界最大の短編映画コンテスト「MyRODEReel(マイロードリール)」の応募作品です。
本記事では、前半で短編映画の内容をお伝えし、後半では映画の作り手によるコメントを紹介させていただきます。
目次
”Sewing Up the Future.” で語られていること
「一枚の服を作るのに、人の流れをすごく感じて…」
映像の中でそう語り出す佐々木さん。
縫製工場で勤務する彼はパターンの作成や修正、検品、アイロンなどを行いつつ、今年3月に自社ブランド「nū」を立ち上げた。
「nū」では、企画から販売など、すべてを一任されている。
もともとは服をメインにやろうと考えていたが、ちょうど立ち上げ時期にコロナ禍が重なった。
彼のもとには、縫製工場で使うマスクを「自分たちで作ろう」という声や、他からも「マスクを作ってほしい」という声が届いていた。
「じゃあマスクを作ろう」
どうせ作るなら良い生地で抗菌もされている、良いマスクを作ろうと思った。
そしてもう一つ。和歌山という場所にもこだわりたいという佐々木さん。
彼は和歌山県の日高郡にある印南町の職人さんに染色をお願いして、世界に一つしかない「藍染マスク」を作った。
「1枚の服を作るのにはいろんな過程があって、その中にいろんな人の思いなどがたくさん詰まっているのを感じる」
佐々木さんはそう語る。
「縫う」ということを通じて、縫製工場や1枚の服が作られる過程を知ってもらいたい。
和歌山って結構すごいんだよ、ということを伝えたい。
佐々木さんの想いはとてもシンプルだ。
シンプルゆえに揺るぎないものを感じる。
これから和歌山という場所で彼がどのような服を生み出していくのか、期待せずにはいられない。
クリエイターの声〜映画制作の裏側Q&A〜
今回の映画制作にあたっては、CreativeLABのメンバー3名でチームを結成。
日本各地に住むメンバーがオンラインでやり取りし、1つの映像作品を作り上げました。
その取り組みは果たしてどのようなものだったのでしょうか?
クリエイターたちの声を聞いてみました。
シモカタセイジ(撮影&ディレクション)
Twitter:https://twitter.com/Kikaku_shitsu
Lancers:https://www.lancers.jp/profile/colour_s
Interview:https://creativel-a-b.jp/hp/seiji-shimokata/
Q:コンテストに参加してみた率直な感想を教えてください
A:オンラインで撮影プロジェクトがこれだけスムーズに進むと思っていなかったのでびっくりしました。
そして一緒に制作したお二人の仕事に取り組む姿勢やセンスからとても刺激を受けました。
何より楽しかったです。
Q:難しかった点はどこですか?
初めて海外の賞に挑戦したのですが、英語対応が一番大変でした。
英語対応については、新しい働き方LABコミュニティマネージャーの堂本さんが翻訳を手伝ってくれました。
彼がいなかったら、たぶん応募にたどり着けていなかったですね。
Q:一番気に入っているシーンはどこですか?
ミシンの音ですね。工場の音って普段聞かないですが、どこか懐かしい感じがします。
この作品を象徴している気がします。
投票してもらえると嬉しいですが、それ以上に人生で何か「引っ掛かり」を感じている人にみて欲しいです。
その上で、何か共感するポイントがあれば応募してもらえると嬉しいです。
WATARU KOBAYASHI(脚本&編集)
Blog:https://wataru-kobayashi.com
Twitter:https://twitter.com/dazzle_rain
Lancers:https://www.lancers.jp/profile/pellucid_night
Interview:https://creativel-a-b.jp/hp/wataruhp/
Q:コンテストに参加してみた率直な感想を教えてください。
率直に言うと『新たな可能性』を凄く感じられましたね。
共同で映像作品を制作することで、自分には思いつかなかった発想がどんどん生まれました。
Q:難しかった点はどこですか?
『映画』を作ることは、私が今まで取り組んできた映像制作とは全くもって似て非なるものなのだと痛感しました。
私が今まで行っていたのは“素材を基に人を惹きつけて引き込ませる作品“作りです。
しかし今回はエフェクトや演出による味付けは最小限。
映像素材から伝わるメッセージを如何にダイレクトに伝えるかを突き詰めていく経験は、自分自身の中で新たな発見と挑戦の連続でした。
Q:一番気に入っているシーンはどこですか?
ラストのセクションですね。
この部分が一番3人のチカラの相乗効果を感じることができます。
将来を目をキラキラさせて語る彼のカットから、瀬戸内海の先を真っ直ぐ見つめる彼の姿を映しました。
佐々木さんは『和歌山って凄い!ということを日本の方々にも伝えたい』と仰っていました。
“MADE IN WAKAYAMA”の素晴らしさ、そんな技術を伝えようとしている佐々木さんの素晴らしさに気づき触れる、そのきっかけになって欲しいですし、その素晴らしさを、投票と拡散によって沢山の方々に共有してもらいたいです。
加茂慧一(企画&アニメーション)
Blog:http://eizou-world.com/
Twitter:https://twitter.com/eizou_world
Lancers:https://www.lancers.jp/profile/eizou
Q:コンテストに参加してみた率直な感想を教えてください。
新しい発見や、学ぶことも多く面白かったです。
特に『チームで1つの作品を作ること』『オンラインで撮影に参加すること』が自分にとっても新しい一歩でした。
Q:難しかった点はどこですか?
一人ひとりの考えを尊重しながら、1つにまとめる部分が難しかったです。
3人の目標やベクトルは同じですが、そのための手段や方法論は少しずつ違い、それを合わせるのが難しいと感じました。
時には1人が良いと思うことと、もう1人が良いと思うことが相反することもあります。
どちらも正解なので、それをどうすり合わせていくかに頭を使いました。
Q:一番気に入っているシーンはどこですか?
本編動画のラストシーンです。
最後に名前と出身地、年齢の自己紹介コメントが入っています。
この構成は自分にはない発想で、チームで作るからの結果だと思います。
何度見ても痺れます。
MyRODEReelにはオーディエンス賞と言って視聴者からの評価を集めた作品への賞もあります。
僕たちの作品に投票をお願いします!と言いたいところですが、他にも素晴らしい作品がたくさんあるので、ぜひ色々と見てみていただきたいですね。
MyRODEReel2020応募作品「Sewing Up the Future.」はこちらでご覧いただけます。
https://myrodereel.com/watch/10333
(※投票期間は終了しています。)
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